1立方ミリのコンピュータ

数ナノワットしか消費しないプロトタイプセンサーで、目からグルコースを計測可能になる日が来るかもしれない。

緑内障にかかっているヒトの目の中に1立方ミリの大きさしかないこのセンサーを移植することで、1日24時間圧力を計測しドクターにデータを転送する。

この新しいデバイスは、今週の早い段階にミシガン大学の研究者によってサンフランシスコにある国際ソリッドステート回路会議で報告され、四角形の薄いガラスの中にプロセッサ、メモリー、圧力センサー、太陽電池、薄膜リチウムバッテリー、送信機がひとまとめになっているとのこと。

本センサーは15分毎に圧力を測り、次に外部デバイスに情報がアップロードされるまでメモリーにデータを保存しておく。0.07平方ミリメートルの太陽電池は、継続的にバッテリーを充電し、太陽光で1時間半、室内光で10時間で完全充電する。

ミシガン大学の電子工学者デニス・シルベスターは次のように述べる「このデバイスを本当に拘束しているのはその回路のサイズではなく、提供可能なバッテリーパワーが少ないことなのです。なので、全ての部品はできるだけ少ないパワーを使うように設計されています。」

同大学の同じく電子工学者で、論文の共同執筆者のデビッド・ブラーウ氏は「事実、要求するパワーを減らすことは、必要以上に回路を巨大化することを意味します。より小さい回路ではより多くの漏電が起こり、より多くのバッテリーが必要となり、結果全体的なサイズが大きくなります。ゆえに回路は最近の標準である32ナノメートルではなく、180ナノメートルを特徴とする10年前の過程を使い作成されました。」と語ります。

さしあたってメモリーセルは、通常の1ボルトで動作する代わりにたったの400ミリボルトで動作するように再設計する必要がありました。また、研究者はデバイスがスリープ状態の時に、電流をほぼ完全にカットする能力を持った特別なパワーゲートトランジスターを使用しました。

結果、このセンサーは平均でたったの5.3ナノワットしか消費しなくなりました。しかし、このパワーセーブがコストに跳ね返っています。プロセッサはわずか100kHz(最近のスマートフォンは1GHz(1,000,000kHz)程度です!)で動作し、メモリーはたったの4,000ビット、ワイアレストランシーバーは10cm程の有効範囲しかありません。しかし、圧力の計測と、数日の情報を保持するのには、これで十分なのです。

他の論文にミシガン大学の電子工学者デビッド・D・ウェンツロフ氏が報告したところによると、進歩的なミニチュアラジオが小さなセンサー群の電波飛距離を延ばし、互いにネットワーク化することを可能にしたとのこと。

ラジオは通常クオーツクリスタルか他の発振器を、電波の周波数を調整するための参照として利用します。しかし、発振器は容積を増やすことになり、ラジオをミリメートルサイズに縮めることを困難にします。しかしながらウェンツロフのラジオは、全てのアンテナがその容積によって多様化する自然の共振周波数を有しているという事実を利用しています。彼は、この共振周波数を計測し、電波周波数を整調する回路を作りました。彼は「ついに、その小さなラジオは1〜10メートルの有効範囲を持ち、センサー群ネットワークが互いにコミュニケートすることを可能にしたのです。」と述べます。

小さなセンサー群は、腫瘍の進行状況をトラッキングするなど、他のバイオメディカルモニタリングにも使えると考えられています。彼らは汚染物質のための環境モニター、または、軍隊のための監視、セキュリティーへの応用にも使えるでしょう。

technology review: One-Cubic-Millimeter Computer
http://www.technologyreview.com/computing/32439/?p1=MstRcnt&a=f