3Dバイオプリンターで皮膚と体のパーツが印刷可能に

コーネル大学の研究者が3Dのバイオプリンターを使い、シリコン製の耳を制作しました。
3Dプリンターは、物質を水平垂直方向に積み重ねるように印刷することで立体的な形状の形成を可能にしています。プラスチックやポリマーを立体構造を一から作り上げたり、壊れた構造を修復するのにも使用可能となり、食べられる物質を素材に使えば食品も製造可能になります。
下記より実際にバイオプリンターが印刷している風景をご覧になれます。
動画: BBC, 3Dバイオプリンターによるヒト臓器の”印刷” (英語)

ノースカロライナ、ウインストンセーレムにあるウェイクフォレスト大学の再生医学学会のジェイムス・ヨー教授は、米国科学進歩協会(以下AAAS)の定例ミーティングで、彼の研究グループがやけどを負った皮膚上に直接表皮を印刷するシステムを開発したと述べました。

彼らの研究費用はアメリ合衆国国防総省より出されており、発生する30%程度のけがが皮膚に起因するものであるというイラクとアフガニスタンの戦場にこのバイオプリンティングシステムを持ち込むため、ポータブル版を開発しようと意気込んでいるとのこと。

このバイオプリンターはレーザースキャナーを内蔵しており、傷をスキャンすることで、その深さと範囲を計測できます。その計測結果は3次元のデジタルイメージに変換され、プリンターが傷を元の形状へ修復するためどの程度の表皮細胞層を必要とするのか計算をし、過去豚に対して10cm^2の皮膚パッチをプリントすることに成功しているとのことです。

また、AAAS会議では、コーネル大学のコンピュータ統合研究所所長ホッド・リプソン教授も、ヒトの耳をスキャンしたものと3次元配列を含んだコンピュータファイルから、耳の印刷をデモンストレーションされました。今回作られた耳は実際の人間の耳の細胞を使用する代わりに、シリコンのジェルを用いて印刷されたそうです。

コーネル大学のチームは既に、バイオプリントによる損傷を被った動物の骨の修復実験結果を公表していますが、リプソン教授は克服すべき技術的課題はいくつも残されていると語っています。彼は、最初に使用されるのはおそらく、内部構造が単純であり、血管新生を僅かしか引き起さない軟骨の修復になるだろうと述べています。

軟骨のバイオプリンティングは動物モデルにおいてかなりの成功をおさめており、再構成のために埋め込まれた膝の半球に軟骨細胞を直接プリントすることにも成功しています。

バイオプリンティングが直面する主要なチャレンジの一つは、バイオプリントされた構成要素と体の残りの部分、特により大きな細胞との接着にあるとのことで、どのような印刷された臓器やボディーパーツも、体の血管と接続する必要があり、それは非常な困難を伴います。その課題にも関わらず、リプソン教授はバイオプリンティングは2−30年の間で標準的な技術になるだろうと信じているとのことです。

元記事 http://www.physorg.com/news/2011-02-3d-bio-printers-skin-body.html